ローヤルゼリーとはちみつは全く違う食べ物。味、成分、効果など。
ローヤルゼリーとはちみつはミツバチが作っている物質であり、健康食品としても利用されていることから、似ている食べ物だと思っている人が多いかもしれません。実際にはローヤルゼリーとはちみつは全く違う食べ物であり、味・成分・効果などに違いがあります。健康食品を購入する時は、事前にそれぞれの特徴を確認することが大切です。ここではローヤルゼリーとはちみつの違いを5つご紹介します。
味
ローヤルゼリーははちみつと同じように、甘い味がすると思っている人が多いかもしれません。しかし実際にはローヤルゼリーは全く甘くなく、特徴的な酸味があります。またローヤルゼリーは鮮度が高いほど苦味を感じ、舌にピリピリした刺激を感じる人も多いです。そのためローヤルゼリーそのものの味が苦手な人も少なくありません。ローヤルゼリーははちみつのように甘くないため、味に慣れるまでの間は、ヨーグルトや牛乳に混ぜて食べるのがおすすめです。
目的
ローヤルゼリーとはちみつはミツバチが作る物質ですが、作られる目的が全く違います。
ローヤルゼリーは女王蜂の特別食であり、女王蜂となるメス蜂は孵化してから、一生ローヤルゼリーを食べ続けます。女王蜂となるメス蜂は遺伝子的には他の幼虫と全く同じですが、ローヤルゼリーを食べ続けることで、女王蜂に分化していきます。成虫となった女王蜂は、働き蜂と比較して、身体の大きさは2~3倍、寿命は30~40倍になり、毎日約1,500個もの卵を産み続けることができるようになります。
一方ではちみつは働き蜂が花蜜をエサとして巣に持ち帰り、熟成させた甘味料です。働き蜂となる幼虫は孵化してから3日目までは、ローヤルゼリーよりも栄養価の低いワーカーゼリーを食べます。そして4日目以降は、はちみつと花粉を食べることで働き蜂になります。はちみつはあくまでも働き蜂のエサであり、働き蜂は一生涯ローヤルゼリーを食べることはありません。
作られ方
ローヤルゼリーとはちみつはミツバチが作っていますが、作られ方は全く違います。
ローヤルゼリーは花粉や花蜜を食べた若い働き蜂が、体内で分解・合成されることで作られます。生成されたローヤルゼリーは咽頭腺という部分から分泌され、女王蜂に与えられます。
はちみつは花蜜を食べた働き蜂が巣に持ち帰り、『蜜のう』という場所で貯蔵されます。蜜のう担当の働きバチは35度の暖かい巣の中で、羽ばたいて風を送ったり、口でかき混ぜたりして、水分を蒸発させます。働き蜂の唾液に含まれる酵素の働きによって、花蜜に含まれているショ糖はブドウ糖と果糖に分解されます。こうして成熟させることで、はちみつが作られます。
成分
ローヤルゼリーとはちみつは、含有成分にも大きな違いがあります。
ローヤルゼリーの成分は、水分が約65%、タンパク質とアミノ酸が約13%、炭水化物が約15%、脂質が約3%、その他の成分が約4%含まれていることが分かっています。ローヤルゼリーには、ヒトの体内で合成することができないため、食品から摂取する必要がある『必須アミノ酸』が豊富に含まれています。またビタミン類やミネラル類も豊富に含まれていることから、ローヤルゼリーは栄養価の高い食品であることが分かります。
またローヤルゼリーの特有物質として、デセン酸が含まれています。デセン酸がヒトの体内でどのような働きをするのか、未だ明らかになっていないことも多く、研究が進められています。
はちみつの主成分は糖類で、全体の約80%を占めます。残りの20%のほとんどは水分です。糖類は花の蜜の主成分であるショ糖を分解したブドウ糖と果糖が大部分を占めます。糖類と水分以外の数%は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸など様々な栄養素が含まれています。
健康効果
ローヤルゼリーとはちみつは、期待できる健康効果も大きく違います。
ローヤルゼリーは様々な健康効果が期待できる健康食品で、更年期障害やメタボリックシンドローム、耳鳴り、高血圧改善、更年期周辺女性の肩こりなどに対して、ローヤルゼリーが作用することが明らかになっています。ローヤルゼリーの健康効果を科学的に検証した研究はまだまだ不足していますが、今後新たな効能が見つかることが期待されています。
はちみつもローヤルゼリーと同様、数多くの健康効果が期待できる健康食品です。記憶力向上や咳止め、すり傷や床ずれなどの皮膚トラブル、やけどに効果があることが科学的に明らかになっています。
まとめ
ローヤルゼリーとはちみつはミツバチが作っている物質ですが、目的や作られ方は異なり、成分や期待できる効果は全く違います。またローヤルゼリーははちみつように甘みはなく、舌に刺激を感じる酸味があるため、味が苦手な人は牛乳などに混ぜて摂取するのがおすすめです。ローヤルゼリーとはちみつの違いを理解して、自分に合った健康食品を活用していくようにしましょう。